文化財 鉄道 〜名古屋「リニア館」人気なのは…?〜

 今春、JR東海が名古屋にオープンさせた「リニア鉄道館」が人気だ。

現役で活躍しているものから過去に走っていた車両まで、いにしえの記憶を一挙に集めた夢と思い出の博物館。

 鉄道オタクが思わず唸ってしまう展示から、鉄道をあまり知らないフツーの家族まで幅広く楽しめるアミューズメントとなっている。

超電導リニアモーターカーから往年のSLまでズラリと並んだフロアは圧巻!!

 2007年にJR東日本が開設した「鉄道博物館」(さいたま市大宮)と競うかのようで、運転シミュレータ、鉄道模型ジオラマなどのアミューズメントに力を入れた。

 シミュレータは新幹線と在来線があり、在来線シミュレータでは車内アナウンスも体験できる。

ジオラマは日本最大の面積で、大宮「鉄道博物館」の日本最大級という形容詞を超える。

 このあたりはJR東日本と東海のライバル関係を彷彿させる。

リニア鉄道館の開業で、JR西日本系の「交通科学博物館」(大阪弁
天町)、JR九州系の「九州鉄道記念館」(北九州門司港)など、各地に鉄道関係の博物館が出揃った。

 さらにJR西日本には、京都の梅小路蒸気機関車館に隣接させる形で新たな鉄道記念館を開設させる計画がある。

各地でJR系の鉄道博物館が競い合うのはケッコーだが、国立国営の中心的存在の鉄道博物館がないのはナゼだろう。

 今、鉄道は近代化遺産、産業遺産、つまり文化財という方面でも注目されつつある。文化的価値の高い鉄道資産が出てきたとき、誰が責任をもって保存するのだろうか。そんな疑問がある。

 名古屋駅からあおなみ線に乗って終点「金城埠頭」下車すぐ・火曜休み
 大阪 中村貴彦