もう一回り広げて声をかけてください。

 東日本大震災、終わらない原発問題、それは私たちがいかに脆弱な生活基盤のうえに生活をしていたかを思い知らされたできごとでした。
 そして、被災地での中学生や高校生、教職員の活動が私たちに勇気を与えてくれました。
 被災した学生が「国も行政も当てにならなかった、地域だけが機能した」と言い、人々をつなぐ中心が学校だったことは、今後の日本を象徴しているように思います。

 子どもや若者が市民として、共に未来をつくっていける学校をつくる、そんな大会にしたいですね。
 名古屋大会では、東北の実践が3本報告されます。酒田実践は、生徒会実践と演劇が結びつき、学校カリキュラム変革に挑む実践です。北川実践は四者協議会という枠組みで生徒が地域に出ていく実践です。中実践は授業と生活指導実践が結びついた実践で、生徒の成長と集団の成長の相互作用が丁寧にみてとれる実践です。

 また、基調は、実践記録を書くという具体的な活動から、教師がエンパワーしていく道筋を示す基調です。実践を聴き取る集団=高生研の大切さが最後にじわっと伝わってくる、2011年にふさわしい基調だと思います。

 もう一回り広げて声をかけてください。名古屋でみなさまとお会いできることを楽しみにしています。

 望月一枝